7月の誕生石・ルビーの話
- 2020.07.13 Monday
- 16:19
ルビーと、サファイヤ。
この2つ、じつは“親戚”のような存在だと知っていますか?
どちらもアルミニウムの酸化鉱物で、「コランダム」と呼ばれる宝石です。
結晶に組み込まれる成分によって色が異なり、
赤いものは「ルビー」、
赤くないものはサファイヤと呼びます。
ルビーという名前の由来は、
「赤」という意味を持つラテン語「ruber」。
なるほど、の名称ですね。
宝石の鑑定機関として知られる「GIA」webサイトによると、
古代インドでは、ルビーは、稀少であり、硬度に優れており(ダイヤモンドに次いで2番目)、美しくて、神秘的な力を持っているように見えるため、「貴重な石の王」と呼ばれていました。長い間、生命の源である血に関連付けられているルビーは、インドの宝飾品においてパワーそして若々しいエネルギーの象徴とされていました。
とのこと。
こうして並べてみると、たしかに力強さを感じます。
同じルビーでも、
黒ずんだ赤、ピンクっぽい赤、紫っぽい赤など、色味はさまざま。
一般的に、「ピジョン・ブラッド」と呼ばれる、
鳩の血のように赤いルビーがもっとも価値があるといわれています。
また、ルビーの中には、内包物の妙によって
光をあてることで6条の星が出るものがあります。
これを“スタールビー”といいます。
さて、ルビーはダイヤモンドに次ぐ硬度を誇る石です。
ルビーを傷つけられるのは、ダイヤモンドだけ。
つまり、傷つきにくいのです。
そのため、じつは日常的にも使いやすい宝石です。
硬度が高いため、
高級時計の歯車の軸受けに、ルビーを用いることがあります。
こちらは、当店で電池交換を承った時計の基盤です。
真ん中やや下あたりにある3つの赤い石が見えるでしょうか?
これがルビーです。
いくら高級時計とはいえ、
見えないところにルビーを使うなんて贅沢すぎる!と思いますよね。
じつは、ルビーは人工的に作ることもできます。
人工石としての歴史は古く、
1903年にフランス化学者、オーギュスト・ヴィクトル・ルイ・ベルヌーイが
火炎溶解による商業的な製造に成功。この製造法はベルヌイ法と呼ばれています。
日本でも、電気機器メーカーとして名高い京セラが、
「クレサンベールルビー」という人工ルビーのブランドを立ち上げています。
人工的に作られたルビーは、
発色がきれいで内包物が少ないものが多く、
天然石に比べるとリーズナブルな価格です。
一方、天然のルビー。
産地としてよく知られているのはミャンマーです。
ルビーの結晶ができるためには、高温・高圧力が必要なので、
ミャンマー産のルビーはヒマラヤ山脈が形成されたときにできたのかな?
などと考えると、なんだかロマンティック。
天然石ならではのドラマを感じますね。
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